この記事では、macOSおよびiOS端末でWiFiの接続パスワードを共有する方法を紹介します。
このような場合にお役立てください。
個別の方法を解説する記事はありましたが、方法をまとめて比較している記事がありませんでした。 どの方法がどのような場面に適しているのか、比較検討していただければ幸いです。
この記事は以下の環境を想定しています。
記事を読む前に、お手元の環境をご確認ください。
同一のAppleIDでサインインしている端末同士なら、iCloudキーチェーンで接続パスワードを共有できます。
iCloud キーチェーンには、クレジットカード番号と有効期限日 (セキュリティコードの保存や自動入力はされません)、パスワードとユーザ名、Wi-Fiのパスワード、インターネットアカウントなどが保存されます。
自分自身が所有する複数の端末で、接続パスワードを共有および更新するのに適しています。
iCloudキーチェーンで接続パスワードを共有している場合、WiFiアクセスポイントに接続するだけでパスワードが自動入力されます。特別な手順は必要ありません。
iOSの設定からネットワーク設定を削除すると、iCloudキーチェーン上の接続パスワードも同時に削除されます。パスワードを共有している端末で再設定が必要になるのでお気をつけください。
一定の条件を満たしたiOS端末同士なら、Bluetoothで接続パスワードを共有できます。
Apple - iPhone、iPad、iPod touchでWi-Fiのパスワードを共有する方法
家族、友人、職場などで限定した相手に接続パスワードを共有、配布するのに適しています。
パスワードを送信する端末を端末A
、受信する端末を端末B
と呼びます。それぞれの端末で以下の準備が必要です。
連絡先
アプリに相手のAppleIDと紐付けられたメールアドレスが登録されている端末Bで共有したいWiFiアクセスポイントに接続します。すると端末Aに以下のダイアログが表示されます。
画像出典 - Apple
端末Aのダイアログで許可をすると、端末Bにパスワードが共有されます。
QRコードでもWiFiのSSIDとパスワードが共有できます。
こちらの動画の3:30から、QR Wi-Fiが触れられています。
OSの異なるスマホ同士で接続パスワードを共有するのに適しています。また、イベント会場など一時的に不特定多数の人に接続パスワードを配布するのにも適しています。
まず、以下の構文にしたがって文字列を作ります。
WIFI:S:【SSID名】;T:【WEP or WPA】;P:【パスワード】;;
S
とP
はSSID名と接続パスワードです。T
はWiFiの暗号化方式を指定します。最近のWiFiアクセスポイントはほぼWPAを使用しています。S,T,Pの順番は入れ替えても動作します。
たとえばSSIDがTEST-A-789
、パスワードがwifi-password
の場合
WIFI:S:TEST-A-789;T:WPA;P:wifi-password;;
となります。
次に、この文字列をQRコード化します。QRコードは以下の方法で生成できます。
iPhoneで書いた住所やURLなどの短い文章・文字列はQRコード化して他のスマホへ
この記事では、ダイアログで入力された文字列をQRコード化しています。 ショートカットを変更して、入力元をクリップボードにするのもオススメです。
iOS端末のカメラを起動し、このQRコードを読み取ると通知がポップアップします。この通知をタップすれば、端末がWiFiアクセスポイントに接続されます。
また、このQRコードはAndroid端末でも読み込めます。
WebサービスでQRコードを生成すると、サービスのオーナーに接続パスワードが暗号化されない状態で渡ります。接続パスワードを含んだQRコードはネットワークを介さず、端末内で生成することをオススメします。
QRコードには接続パスワードが平文で格納されています。そのため撮影した写真からも簡単にパスワードが復号できます。イベントなどで不特定多数がQRコードを撮影した後は、接続パスワードを変更しましょう。
iPhone で QR コードからの Wi-Fi 接続が意外と知られていなかったので補足 QRコードでお手軽設定
以上、ありがとうございました。